投稿日 : 12年 03月 04日 17:16
こんにちは。
ロゴマークのリンゴの形のiPadが今年発売になるのだそうで、
アップル社の製品開発の早さは凄いですね。
●今週(5日-9日)の注目点
米ドルについては、先週はドルインデックスが週中に78.1あたりまで
下落しましたが週後半にかけて79.5に迫るあたりまで上昇する展開に
なりました。LIBORドル3ヶ月物金利は金融市場の緊張が緩和してい
ることもあって再び低下傾向にはありますが、ドル買い傾向の1週間
になりました。また、米10年債利回りも週初1.93%から週末1.99%と
いまだに2%は近辺ではありますが上昇傾向になりました。
そして、NYダウについては、先週末のG20および29日のECBの3年物
資金供給オペLTROやバーナンキFRB議長の半期に一度の政策報告の米
下院金融委員会での議会証言など3つのイベントがありましたが、
またもや13000ドルの大台を目前に週間で?5.38ドルと、先週も足踏
み状態になりました。
米指標では、先週は米耐久財受注や米個人消費支出や米新規失業保険
申請件数および米ISM製造業景況指数は市場予想よりも弱かった一方、
中古住宅販売保留(成約)や消費者信頼感や米第4四半期GDP改訂値や
米第4四半期個人消費などやシカゴ購買部協会景気指数などが強く、
マダラ模様とはなっていますが、地区連銀経済報告(ベージュブック)
では米経済の緩やかな改善が示されました。
また、米要人発言では、先週末にサンフランシスコ連銀総裁が「景気
刺激策を積極的に講じ続けねばならない状況は明らか。今後に景気回
復が弱まったりインフレ率が2%をかなり下回る水準で推移し続けた
場合は追加策を講じる必要がある。今年の経済は成長率見通しよりも
悪化するリスクがある。欧州情勢が最大のリスク。失業率は来年も
8%台の見込み。」とのやや悲観的でハト派の発言も見られますが、
29日に注目のバーナンキFRB議長の半期に一度の政策報告の米下院金
融委員会での議会証言が行われて「ガソリン価格などインフレ懸念が
示され。」「QE3の可能性について言及が全くなく。」「正常から程
遠いとしながらも米雇用に改善の認識が示され。」、米要人の金融
政策の認識の軸足がハト派優勢からタカ派へとわずかに変化しつつ
あることが覗われることになりました。
今週は米ドルに関してビッグイベントになる米雇用統計が、イレギュ
ラーで第2週の金曜日の9日に発表されますが、29日のシカゴ購買部
協会景気指数の構成項目の雇用指数では64.2と大きく改善を示してい
る一方、1日の米ISM製造業景況指数の構成項目の雇用指数は53.2と
前回値よりもやや弱くマダラ模様ながら、バーナンキFRB議長の議会
証言で「雇用市場は依然正常からは程遠い。」としながらも、「過去
数ヶ月の雇用増加は比較的広範囲。」「過去1年の失業率低下は成長
のペースからは予想よりやや速い。」との認識を示していて、NFPの
市場予想は前回値より低い+20.6万人ですが、もしかしますと、市場
予想よりやや強い数字になる可能性もわずかながらにありそうです。
米雇用統計はリスク選好・回避の動意としてよりも、その強(弱)が
米ドル買い(売り)の動意として働くことが多く、発表日の当日だけで
はなく事前の織り込みの動きを含めて注目されます。
円については、2月14日の日銀による「資産買入れ等基金を55兆円か
ら10兆円増額して65兆円にする。物価安定の理解を「めど」に変更。
当面1%を目指す。」との金融政策の発表から円安傾向が強まり、
その後、2週目となる先週に調整がみられましたが、なお中期的な
円安基調は続いているようです。いつもは為替市場として注目度は
あまり高くはありませんが8日の日国際貿易収支が注目されます。
ドル円は先週、昨年4月の高値と10月末の安値の下落波動の61.8%の
戻りの81.60-70円アラウンドのフッボナッチのポイントを基点とし
た「行って来い」の相場展開になりましたが、先週末に81.78円終値
になり上抜けつつあるように思われますが、まだチャートポイント
の範疇であることから、週初の動向がまずは注目されます。
ここをしっかり上抜けできれば一段高となる可能性があるとともに、
ここで反落すれば4時間足でのWトップや三尊形に発展する可能性も
秘めているだけに注目されます。もしも反落となった場合では81.00
と80.00の「00」ポイントの節目での動向が注目されます。仮に特に
80.00を下抜けるようになった場合は中期的な上昇トレンドが変化
することになる可能性があり下値の注目ポイントになりそうです。
ただ、ドル円の堅調を予想する向きのほうが多いようです。
上値では日本企業の年度末リパトリによる調整の動きの指摘がある
一方、下値では日本企業のM&Aへの思惑や、原油価格高と相俟って
日本のエネルギー関連企業によるドル調達の指摘などが聞かれます。
ユーロについては、G20明けとなった先週、レーン欧州委員の発言に
みられるように「G20財務相はEUへの支援を表明。市場で安定化の
兆候が増大。」になり、ユーロドルに上値をトライする動きがみら
れましたが、"Sell the fact"の動きもあったか一旦反落する展開
になりました。その後、28日のS&Pの「EFSF債の見通しをネガティブ
に下方修正する。」「ギリシャをCCから選択的債務不履行のSDに格下
げする。」との格付け発表リスクもこなして、29日の東京時間では
再び上値をトライするも1.35上抜けはできませんでした。
そして、29日のECBによる第2回目の3年物オペのLTROの第二弾の
「ビッグ・パーサ」では、市場予想を上回る5295億ユーロが供給さ
れ、ユーロ売り動意とともに、一時7%超になっていた伊2年債利
回りが2%ほどに低下するなど、リスク選好動意との綱引きになり、
上下動の揉み合いとなって、その後にやや反落するも一旦は小康と
なって無事にイベント通過とはなりましたが、その後のバーナンキ
FRB議長の半期に一度の議会証言で「ガソリン価格などインフレ懸念
が示され」「QE3の可能性について言及が全くなく」「正常から程遠
いとしながらも、米雇用に改善の認識が示され」、強いドル買い動意
となったことを契機に、ユーロドルは4時間足でWトップのフォーメー
ションを形成して週間で下落する展開になりました。
そして、EU首脳会議では英とチェコを除く加盟25ヶ国で新条約「財政
協定」が署名され、安定・成長協定に基づく約束を尊重することなど
で合意になりましたが、ESMとEFSFについては中核国の独が議論を
(今回は)拒んだことで、「ユーロ圏財務相は月内にESM・EFSの規模
を見直す。」とファイアー・ウォールの協議が延期になりました。
また、スペインが「マイナス成長は今年第3四半期まで続く可能性。
2012年の財政赤字見通しについてEUに示した削減目標4.4%を上回る
GDP比5.8%に引き上げた。」などの発表もあり、そしてユーログル
ープのユンケル議長が「もうユーログループ議長を続けたいとは思
わない。」と退任の意向を示唆して、市場に懸念の火種が灯ること
になりました。
順次イベントがこなされていますが、今後は「ユーロ圏財務相による
月内のESM・EFSFの規模見直し。」「EU新条約の各国による批准。」
「ギリシャの第2次支援の条件の追加緊縮策の実行。」「ギリシャの
第2次支援の条件の民間債権者による債務交換PSIの参加率の問題。」
など、残る宿題が注目材料になりそうです。
そして、29日にオーストリア中銀総裁が「ECBに利上げは必要ない。
ECBの3回目の3年物オペは必要ない。」との見解を示していますが
今週のユーロ関連のイベントでは8日のECB政策金利とECBドラギ総裁
の記者会見が注目されます。
ユーロドルのチャートポイントしましては、先週の終値で1.3200アラ
ウンドに到達して、週初まずはこの「00」ポイントを巡る攻防が注目
されます。反発上昇した場合では1.33および1.3400の「00」ポイント
の節目および1.35を超えられるかが注目されますが、1.3200のポイン
トを下抜けた場合は1.3100の「00」ポイントおよび1.3000の「000」
ポントなどが節目となりそうです。Wトップを形成したようにも思わ
れますが、1.3200アラウンドで下支えされた場合には、一旦レンジ
相場となる可能性もありそうです。
経済指標関連では、5日の米ISM非製造業総合景況指数、
6日の豪RBA政策金利にRBA声明と欧第4四半期GDP改訂値、
7日の豪第4四半期GDPと米ADP雇用統計、
8日のRBNZ政策金利にRBNZ声明と日貿易収支に豪雇用統計と
英BOE政策金利とECB政策金利にドラギ総裁の記者会見と
米新規失業保険申請件数に加BOC政策金利と加BOC声明、
9日の豪貿易収支に中国消費者物価指数に英鉱工業生産指数と
加雇用統計に米雇用統計などが注目されます。
さて今週は、ポジション・クラスターと3作用のお話です。
前回からの続きのお話です。
過去の価格(レート)推移の履歴であり、
価格推移のグラフともいえるチャートですが、
そこには過去のディールによって売買が完結された
既決ポジションが無数にあるとともに、
またそこには過去に短期派や長期派の多くのトレーダーに
よって作られた「未決済のポジション」が残存しています。
そして、この「未決済のポジション」は
均等に分布しているわけではなく、
過去の相場の変動の中で、いろいろな価格レベルに不均衡に
しかも大きさも様々に群をなして分布しています。
これらは「ポジション・クラスター群」と
呼ばれることがありますが、
このポジション・クラスター群の多くでは
実需の買い切りや売り切りの玉よりも、
はるかに投機玉が多いことが知られていて、
それら投機玉はいつかは必ず反対売買で
決済される必要があることから、
将来の価格推移に影響を与えることがあります。
「ポジション・クラスター群」という見えない構造は
将来の価格(レート)に3つの作用としては働きます。
今回はそのお話です。
それでは、はじまり、はじまりー。^^
「ランダム・ウォーク理論というのを聞いたことがあるかね?」
『あぁ、もちろんあるともさ。
マルキール氏や学者達が主張している理論だろう。』
「そうじゃ...。
値動きはどの時点においても長期的にも短期的にも
上昇と下降の可能性がほぼ同じで確率的に独立した事象であり、
過去の値動きから将来の値動きを予測することは不可能...。
市場は効率的であり、その時点の価格にはあらゆる情報が
既に織り込まれていて、どのような方法を用いても、
超過収益を恒常的に得ることは不可能...。
という、あの理論じゃよ...。」
『それがどうしたというんだい?』
「まぁ、確かに将来価格(レート)は
現在から一歩未来となるときには、
不確実性のある『未来要素』」が加わっていくわけで、
過去の価格の動きから未来の価格の動きを
完全に予測することは不可能ではあるが、
市場には投機玉の過去の未決済ポジションが膨大に存在していて
その『潜在的影響』は無視はできないどころか、
多大に将来の価格形成に影響している可能性も
排除はできないのではないだろうか...。
そう思うことはないかね。」
『......。』
「つまり、学者達は過去を含めた全ての事象は価格に織り込まれ
既に現在価格において顕在化している、と主張しているが、
過去の未決済のポジションによる『潜在的影響』も
無視はできないのではないかということじゃよ。」
『へっ、そんな学者達の屁理屈などオレ様にはどうでもいいよ。
そんなこたぁ、オレ様にとって関係ないね。
今日、儲けれるかどうかが興味の焦点でそれこそが問題さ。』
「ふむ。もっともで、まっとうな考え方じゃ。
でも、今日儲けれるかどうかにもかかわることじゃからして、
しばし興味を持たれて聞かれよ。」
『......。』
「ところで...、レンジ・ブレークとかブレーク・アウト、
なんて言葉を聞いたことがあるじゃろう?」
『おいおい、バカにするんじゃないよ。
ブレーク狙いはオレ様の得意な手法だよ。』
「戦績はどうじゃね?」
『うん...。ブレーク狙いもそんなに簡単じゃぁないよ。
抜けたと思えばまた戻り、戻ったかと思えば抜けて行き...、
けっこう難しいものだよ...。』
「ふむ。そうなのじゃ...。
ブレーク・ポイントはレジスタンスなどの
価格抵抗となるポイントなわけじゃが、
ブレークを狙う向きにとってはブレーク・ポイントでも、
同時にレンジが続くと観る向きにとっては
反転を期待するポイントでもあって、
結果的にどちらかが負けて、どちらかが勝つのじゃが...。」
『そりゃそうだろうな...。どっちかは勝つよ。』
「でも、上値抵抗のレジスタンスとなっていたということは、
それまでその上値を頂点としてレンジと観ていた向きが
多かったことを示していることになるようにも思われるが、
そしてもしもそのレジスタンスを価格が突破した場合では、
どういうことが起こるのじゃろう?」
『レンジと観ていた向きは損失になるな...。
損切るやつもいれば、再度の反落を期待して塩漬けもあるさ。』
「そのとおりじゃ...。
損失を限定回避しようと損切りが執行されることがあるのじゃ。
すると相場はどうなるのかのう?」
『レンジと観て反転を期待しレジスタンスから売りを仕掛けていた
やつらが損切るわけだから、反対売買の「買い」になるよ。』
「そうなのじゃ。だからブレークして価格が上昇した場合には、
売り方の損切りによる反対売買の買いも手伝って、
ブレーク方向へ価格の動きが『加速』することになるのじゃ。」
『ふむ...。』
「ファンダメンタルズの衝撃などによって価格がブレークして、
売り方の損切りによる作用での価格上昇初動の加速の動きは
レンジが続くと観ていた向きのポジション・クラスター群での
損切りを食って成長するが、それがあらかた済んでしまうと、
一旦、価格の動きが一服となって停滞することが多いのじゃ。
そして、ここからが問題じゃ。」
『......。』
「相場の成り行きをジッと観ていたトレーダー達の新規の買いが
入ってこないと、含み益となったトレーダーによる
利益を確定しようという動きが現れることになって、
今度は買い方の利食いによる反対売買の売りによって、
上昇の動きにブレーキがかかり失速する場合があるのじゃ。
損切りを食っての上昇が一服後に『新規の買いが入るかどうか』
がポイントになるのじゃのう。」
『......。』
「新規の買いが入ってくれば、新規の買いでの価格の上昇と、
さらなる上昇によって、堪えていた売り方の損切りをも食って、
価格はいわば買い方と売り方の双方により押し上げられていくが、
新規の買いが入ってこないと、やがていわゆる利益確定売りで、
レートは元のポジション・クラスター群のほうへ
『引き寄せられる(引き戻される)』作用を受けることになる...。」
『......。』
「そうすると、再び新規の買いが入らない限り、
価格は反落して、そして場合によっては、
反落の動き自体に乗ろうとする新規の売りも加わって、
価格が下落していくことになるが、
その後、どういうことになるのじゃろう。」
『うん...。さらに価格が上昇すると思っていた買い方が、
反落のレベルによって、減じた含み益を慌てて
反転売買の売りで利食ったり、あるいは損失となってしまった
場合は今度は買い方が反転売買での売りで損切りしていく
ことにり価格は下落していくことになるんだろうなぁ...。』
「そして、価格が元のポジション・クラスター群に回帰してきて、
元のレジスタンスに到達する頃ではどうなるのじゃろう。」
『えっ? ブレークのスタート地点で元のレンジの上辺かい...。
そこではまた事情が違うことになるよ。』
「どういう事情となるのかね?」
『当初の上昇ブレークで含み損となっていた塩漬け玉が
プラス・マイナス・イーブンでようやく手仕舞えるポイントだし、
ここまで押せばレンジ内に復帰する可能性とともに、
またチャートポイントとして反発の可能性も出てくることに
なるんじゃないのかな...。』
「売り方の塩漬け派がポジション解消の『やれやれ手仕舞い買い』
でポジション解消ができるポイントになるとともに、
抜けるか戻るかのチャートポイントを再び迎えるというわけで、
価格(下値)抵抗の作用として働くことになるというわけじゃね。」
『そうさ...。ジイさん、よく解ってるじゃないか。』
「あははっ。お褒めにあずかりありがとう。
このように、『加速』『引き寄せ(引き戻り)』『抵抗』
の潜在的な価格に働く3つの力がどうもありそうじゃのう。」
『......!』
「市場は過去の価格を覚えていると言われることがあるけれども、
その背景にはこれら3つの潜在的な価格に働く力が影響して
いるのかもしれないのう。
そして、価格水準や抵抗となるところを確認する水平線は
価格に働く3つの力を認識する上で大切なものとなりそうじゃ。」
『今回は特に長くなったね、ジイさん。』
「そうじゃのう...。
来週はお前さんの好きなアレの話じゃ。」
『ウザイ話をしようってんだね。
損切りしないですむ方法も教えてよ。』
なーんちゃって。
またお話が長くなりました。 m(_ _)m
ではまた来週。